【過失の異議申立】異議申立で自賠責の重過失減額を覆した事例
事案概要
既に自賠責の後遺障害等級認定を受けた状態でのご依頼でした。
ご依頼時点では、自賠責で被害者に重大な過失があると認定され、自賠責保険金約500万円(傷害分・後遺障害分)が減額されていました。
被害者の方には、高次脳機能障害について後遺障害等級3級という重い後遺障害が残存していました。
事故態様を詳しく調べたところ、被害者に重大な過失があるとは言えないのではないかと考えられたため、自賠責に過失割合についての異議申立を行いました。
解決の内容
自賠責への異議申立が認められ、被害者に重過失がないことを前提に、減額されていた自賠責保険金約500万円の支払いをうけることができました。
その後の示談交渉においても、被害者に重過失はない前提で交渉し、有利な内容で示談を成立させることができました。
ポイント
自賠責保険金の請求では、被害者の過失が重大である場合(過失割合7割以上)、自賠責保険金が減額(過失割合に応じて2~5割減額)されます。
本件では、認定されている後遺障害等級が3級と重かったため、傷害分と後遺障害分を合わせて約500万円もの重過失減額がなされていました。
過失割合の異議申立にあたっては、刑事記録を取り寄せた上で詳細な検討を行いました。
事故現場の状況や信号機の動作状況等に基づき緻密な検討を行い、被害者に重大な過失がないことを立証したことが奏功し、異議申立が認められました。
自賠責の異議申立では、後遺障害等級だけでなく重過失減額についても争うことができます。
過失割合は被害者が受け取る賠償額に直結する重要な問題ですので、当事務所では、自賠責の判断に疑問がある場合には積極的に異議申立を行っています。