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【高次脳機能障害5級】高次脳機能障害5級の認定で、労働能力喪失率100%(3級以上と同等の喪失率)、将来介護費日額3000円で和解

事案概要

交通事故で脳外傷を負い、高次脳機能障害5級が認定されましたが、高次脳機能障害により人格変化が強く、事故後就労はできなくなり、食事や整容などを親の声かけ・準備などがなければ単独ではできない状況にありました。

ご家族の希望は、3級へ等級を上げること、将来介護料の認定などでした。

解決の内容

相談を受けた後、専門医から意見を取り付け、自賠責保険に対し、高次脳機能障害は3級である旨の異議申し立てを行いましたが、認められませんでした。
そこで、高次脳機能障害の認定等級は5級のまま民事裁判を起こしました。裁判では、被害者の高次脳機能障害の実態は3級相当であることを主張しました。
結果として、1審判決では、高次脳機能障害の等級を3級とする判断はなかったものの、逸失利益の労働能力喪失率が100%(3級の労働能力喪失率と同じ。)、将来介護費は日額2000円とする判断が下されました。
被害者側から控訴しましたところ、控訴審において、将来介護費を日額3000円、労働能力喪失率100%で和解となりました。

ポイント

神経心理学検査(知能検査)では、平均以上の結果が出ていたため、高次脳機能障害の3級への等級変更は難しい事例でした。
しかし、裁判では、等級そのものは変わらなかったものの、実質的な判断として、3級の賠償額に近づけるような形で逸失利益や将来介護費が認定され、控訴審でも被害者に有利な形で和解が成立しました。
認定された等級以上の高次脳機能障害の実態の深刻さの立証が功を奏したものといえます。
裁判所も、真向から自賠責保険の等級を否定するのはハードルが高いといえますが、このように障害の実態を濃く主張することで、実質的に等級以上の判断が得られることもあります。
高次脳機能障害5級では将来介護費が認められないことの方が多いですので、将来介護費が認められたという点でも、立証活動が功を奏したケースといえます。

この事例は、当事務所開設前に担当した事案です。