離婚(男女問題)

どんな場合に離婚ができるの?~離婚理由~

一度は、この人と一生添い遂げるという想いで結婚しても「離婚」という選択をする、あるいはそうした選択を迫られる、ということもあるでしょう。

では、「離婚したい」からといって一方的に結婚を解消することができるのでしょうか。

この場合、お互いが離婚することについて納得していれば、「協議離婚」といって離婚届にお互い記入して提出すれば離婚はできます。

しかし、夫婦の一方が離婚を拒否した場合、思い通りに離婚できるわけではありません。離婚する・しないの話合いが並行線をたどった時、最終的には裁判、ということになります。
裁判で離婚が認められるには、以下のいずれかの「離婚原因」がなければなりません。

配偶者の不貞行為

不貞行為とは、配偶者の自由な意思で行った配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。

悪意の遺棄

正当の理由もなく同居・協力・扶助義務を継続的に果たさないこと
例:配偶者が家出して帰ってこない場合、配偶者に家から追い出される場合など

三年以上の生死不明

失踪宣告により婚姻を解消するためには7年かかるため、3年以上の生死不明でも離婚ができるようになっています。

配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

夫婦共同生活における協力扶助義務、特に精神的生活に対する協力義務を十分に果たすことができない程度の精神障害(ただし、配偶者の今後について具体的な方策を用意してあげる必要があります)

その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

具体例~性格の不一致、浪費癖、怠惰、配偶者による暴力、性的異常、性的不能、性交拒否、犯罪行為など

離婚の手続き

次に、離婚理由があっても、相手が離婚理由を認めなかったり、離婚する条件がまとまらなかったりと、なかなか当事者だけの話合いでは離婚の話が進まないこともあります。以下では、離婚の種類・手続きについて見ていきます。

協議離婚

夫婦同士の話合いで離婚の合意ができ、お互いに離婚届に記入して届けを提出すれば離婚が成立します。こうした互いの合意で離婚をすることを協議離婚といいます。

ただし、夫婦の間に未成年のお子さんがいる場合、夫婦のどちらを親権者とするのか決めなければなりません。

夫婦関係調整調停(いわゆる「調停離婚」)

当事者同士の話合いでは離婚の合意ができない場合、家庭裁判所に調停の申立てを行い、家庭裁判所において第三者である調停委員を交えて話合いでの解決を目指すこととなります。夫婦同士の話合いがまとまらないからといって、いきなり裁判を起こすことはできず、まずはこの調停手続きを経る必要があります。

調停の手続きにおいては、離婚するかしないかの話合いに限らず、財産分与、慰謝料、子の親権者、子の養育費、この面会交流などの離婚条件についての合意も成立するように調整されます。

審判離婚

調停が不調(調停での話合いがまとまらず合意が成立しないこと)に終わった場合、それでも離婚を求める場合は離婚訴訟提起となるのが原則で、通常は審判への移行はありません。

もっとも、離婚の合意はできているけれども、財産分与などの離婚条件の部分で意見の相違があって合意が成立がしない場合に、訴訟で一から議論し直すとなりますと、これまでの話合いが無駄になってしまいかねません。そこで、このように、主要事項である離婚については合意ができているものの、離婚条件が整わないにすぎない場合などには、家庭裁判所は調停から審判に移行させ、調停に代わる審判を行うことがあります。このように審判による離婚を審判離婚といいます。

裁判離婚

調停で離婚の話合いがまとまらず、審判もなされない場合、離婚を求める当事者は家庭裁判所に対し、離婚を求める訴えを提起することとなります。
裁判において、離婚事由があるかどうかの審理がなされ、判決で離婚が認められれば、離婚をすることができます。なお、裁判手続きにおいても、裁判所を交えた協議を行い、裁判上の和解(当事者の合意による解決)での解決をすることもあります。

以上のように、離婚をするにあたっては、離婚の方向で意見はまとまっていても、離婚の条件で食い違いがあって話合いが進まないなど協議離婚であっても、簡単にはいきません。そもそも離婚するかどうかで当事者の考えに大きな食い違いがあってなかなか話がまとまらない場合には、調停・審判・裁判と段階を踏んでいかなければなりません。
離婚の話合い・裁判は、もともと愛情を持って結び付き合っていた夫婦の関係が破綻して引き起こされる紛争ですから、話合いが感情的になりがちです。たとえ法的には有利な立場にある当事者であっても、冷静な話合いができなければ、相手方の都合のいいように事が進められてしまうことすらあります。
ですから、離婚を決意された時あるいは配偶者から離婚の話がなされた時には、早い段階から弁護士へご相談されることをおすすめします。

私たちがご依頼をお受けしている業務

1 離婚及び離婚の条件についての相手方との交渉・調停・審判・裁判

離婚及び離婚に伴う条件の交渉を致します。離婚についてはそもそも離婚理由があるのかどうかという問題の他、離婚の条件としてお子さんのことや財産のことなど決めなければならないことがございます。弁護士は、各局面においてどのようなことを説明・証明すればいいのかポイント押さえております。早い段階から弁護士が関与することで、離婚の交渉を有利に進めることができます。

私たちは、こうした離婚及び離婚に伴う条件についての交渉・調停・審判・裁判において代理人として対応致します。

離婚を請求したい方については離婚に向けた交渉等致します。
離婚を請求されている方については、離婚理由があるのかどうかの検討も含め、離婚を回避するための交渉等又は離婚が回避できない場合には離婚条件において不利にならないための交渉等を行います。

離婚についての協議は、話合い、調停、審判、裁判と段階を踏んで進んできます。なるべく早い段階からのご相談をおすすめしますが、どの段階からでもご相談・ご依頼は受け付けております。

2 男女問題に伴う各種損害賠償請求

離婚の問題に限らず、配偶者の不貞の相手方に対する損害賠償請求、婚約の不当破棄に基づく損害賠償請求、内縁の不当破棄に基づく損害賠償請求などについて代理人となって交渉・裁判などを行います。

3 男女問題について損害賠償請求をされている方

不倫相手の配偶者から損害賠償請求をされている方、婚約破棄により損害賠償請求をされている方、内縁の破棄により損害賠償請求をされている方についても相手方からの請求に対し代理人としての対応(交渉、裁判活動)を行います。

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